田の越しの三界坊 さんがいの記

熊本在住の三界坊が、九州の山歩きで出会った山野草、渓流釣りのあれこれなど、暇にまかせてのなぐり書きです。

山の恵み、ニホンミツバチの採蜜は楽ではない

 先週の日曜日、椎葉の知人(山のお師匠)宅へニホンミツバチの採蜜の手伝いに行きました。子どものころから、村のあちらこちら道路わきのがけ下などに据えてあるミツバチの巣箱(丸太をくり抜いたもので村では“ミツバチブンコウ”とよんでいました)はよく目にしていましたが、実際の採蜜となると今回が初めての経験です。師匠は十数個の巣箱を近所に据えてあるとのことで、この日はそのうちの一つの採蜜に同行させてもらいました。まず、驚いたのは巣箱を据えてある場所です。渓流沿いの崖の上でそこに行くまでの道幅は狭く(1mもありません)、足下は谷底まで10メートル以上の断崖になっています。樹木があって目隠しとなり、多少恐怖感はやわらぎますが、まじまじと下を見ると目がくらんでしまうような場所です。冷や汗がたらーり。作業を手伝うつもりが、不安定な足元とブンブン飛び交うハチとが気になって、ほとんど動けませんでした。かえって足手まといになったようです。そんなところでも地下足袋姿の師匠は慣れたもの、手際よく作業を進め、30分程度で一つの巣箱から採蜜を終えました。巣箱に入っていた半分ほどの枚数の蜜巣を採取し、あとはミツバチの越冬用としてそのまま巣箱の中に残しておきます。作業の後、師匠の家で今年採れたハチミツをたっぷりと入れたおいしいカステラをごちそうになりました。これから師匠について勉強をさせてもらい、私も“ミツバチ飼い”になろうかと思っていたのですが、採蜜だけでもそう簡単な仕事ではないということがよくわかりました。“ミツバチ飼い”への道は遠く険しそうです。

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写真1:師匠のミツバチブンコウ、右側は谷底まで十数メートルの断崖です。
イメージ 2写真2:巣箱を上下反転させ中のミツバチを追い出します。中に蜜巣が一部みえています。
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写真3:巣箱を横にして、竹べらで中の蜜巣を切り離し取り出します。巣箱の周りや左側の岩壁にはハチがかたまってついています。
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写真4:取り出した蜜巣を蓋付きの容器に移します。
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写真5:蜜の詰まった蜜巣のアップです。
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写真6:今年採れたいわゆる“椎葉の秘蜜”、山の恵みの百花蜜です。蜜をたっぷり入れたカステラもおいしゅうございました。